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  • 2022.11.01

  • インボイス制度への反対声明

  •  株式会社プロダクション・プラスエイチはインボイス制度の実施に反対し、見直しを求めます。 

     

     仮にインボイス制度が実施されたとしても、弊社はフリーランスの取引先を守るため、インボイス発行事業者の登録は求めません。また、この制度の実施に伴い弊社との取引において発生する彼らの税負担については、暫定措置として2026年9月まで弊社が負担することを保証します。 あわせて、2026年9月までのインボイス制度の廃止を目指し、アニメーション業界の一企業としてできることを行っていきます。 

     

     アニメーションの制作現場ではアニメーターをはじめ、監督、脚本家、演出、仕上げ、C G、美術背景、撮影、編集等々多くのフリーランスのクリエイターが関わり、作品が世に送り出されています。 そのクリエイターの多くが年間売上が 1,000万円以下の免税事業者です。 アニメーション制作の需要が高まる中、国内の人材不足は深刻な問題となっています。 人材の育成が急務となっているアニメーション業界において、インボイス制度の実施は大きな妨げとなり、業界の衰退を招くものであると考えています。 

     

    (収入減の問題) 

     フリーランスの報酬形態は、固定の月額報酬制も増えてきていますが、まだまだ単価での出来高制が業界内では多く、安定した生活を送るための収入に困っているクリエイターが少なくない現状です。 その中でインボイス制度が実施されると、免税事業者であることを理由にした値下げ・取引の中止等、クリエイター側が負担を強いられる状況が十分に起こりえます。 

     

    (インボイス導入にかかる事務処理・費用負担の増加) 

     取引先からの要請に応じて免税事業者から課税事業者へ変更したとして、システム導入や実務対応は避けられません。 作業負担の増加の中でも、消費税の申告作業はその最もたるものでしょう。 消費税は、事業者自身が税額を計算し納付を行う「申告納税」をする必要があるため、クリエイター自身で年間の売上・経費にかかる消費税の集計・税額の計算・申告書作成を行う必要があります。 専門的なサポートを受けるとして、その費用も安くはありません。 制作会社である弊社でも、控除できる課税仕入か否かの判定作業や適格請求書の確認作業など、これまで不要だった事務負担が増加することは明らかです。 

     決して多くない収入からさらに消費税を負担し、事務処理負担も増えるとなればクリエイターから本業に取り組む気力や技能を磨く費用と時間も奪ってしまいます。 

     

     インボイス制度の実施は、課税事業者にとっても免税事業者にとっても実質の増税です。 弊社にとっても、制度の実施により発生する税負担は決して少なくない金額です。 この制度は、アニメーション業界だけではなく、作家・漫画家・声優・出版社など多くの業界で大きな打撃を与えるものだと思います。 

     新しい物作りができる環境をクリエイターに提供することを目指している弊社としてできることはないか、まずは第一歩としてインボイス制度への反対声明を発表いたします。 

     

    2022年11月1日 

    株式会社プロダクション・プラスエイチ 

    代表取締役 本多史典